Contsruction
施工計画図
施工計画図
既設管内の雨水滞留状況
推進前のカッタヘッド
ヒューム管1本目据付状況
カッタヘッド到達状況
掘削後の破砕片(左上)ヒューム管鉄筋、(右上)木片、(右下)止水ゴム、(左下)コンクリート片
鉄道の線路下には、線路排水や周辺の農業用水の通水などを目的に横断管路(伏び)が敷設されています。横断管路にずれ・破損やたるみ等の変状が発生すると、通水阻害を引き起こすだけでなく、管路周辺の路盤材の吸出しによる路盤陥没を引き起こす可能性があります。そのため、鉄道の安全安定運行にとって変状した横断管路の早期発見とその早期の対策が重要です。変状した横断管路の改良にあたっては、従来開削工法や推進工法が用いられてきました。この工事は既設の横断管路をセメントミルク等で充填した上で、同一の位置に推進工法で横断管路を新設することのできる築推進工法を、鉄道線路下の横断管路の改良工事において初めて採用したときの事例です。
今回、施工した箇所の既設管路(ヒューム管φ600mm)は中央部で1D程度たるんだために、通水不良を起こした箇所でした。当該管路のある線区は線路閉鎖間合いが約200分と短く、既設管路の土被りが上り線側でレール頭面から約3mと比較的大きい。さらに上下流での部外水路との接続の関係から既設の管路と同一の位置で施工する必要のある箇所であったため、改築推進工法を採用しました。施工は夜間線路閉鎖時間帯に行っています。
今回の施工箇所では既設管路の中央部で大きくたるんでいたため、既設の管路と推進の中心が大きくずれていました。そのため、推進中に切羽面で土路盤とモルタルを充填した既設の管路の割合が大きく変化することで、推進精度の低下や推進力の上昇が懸念されました。また、推進機通過時の既設管路の隆起や路盤内の空洞の発生などによる軌道変状の発生が考えられました。
推進管理は、施工上必要な推進力(433.1KN)に対し、支圧壁の耐荷力以下において、必要推進力の×1.1(476.41KN)を警戒値、×1.2(519.72KN)を工事中止値と定めたが、推進力は施工上必要な推進力を上回ることなく施工ができました。また、先導管の変位は±30mmとした管理値以下でした。
推進施工中は管路上のレールの頭面の水準測量を30分毎に計測したところ、軌道変化量は±1mmであり軌道への影響は小さく、安定した施工ができました。また、毎日の推進施工後、軌道整備を行うと共に軌道計測を行い、基準値以内であることを確認しています。
推進施工による路盤の緩み・空洞発生の確認を行うため、電磁波による線路下空洞探査装置により推進工施工後、路盤状態を確認しています。探査深度が2.0m未満のため新設した管路は確認できなかったものの、新設した管路上部においては緩みのないことが確認されました。
軌道変位や路盤の緩みの発生がないことで、今回採用した既設管路充填による改築推進工法が、線路下横断管路へ適用可能であることが確認できました。
施工名 | 佐倉酒々井4K159m伏び改良工事 |
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施工場所 | 千葉県佐倉市 |
使用機種 | TP95S |
管種・管径 | HPφ600 |
推進延長 | L=17.85m |
土被り | H=2m |
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